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「坂の上の雲」司馬遼太郎 [読書]

好きな小説は2回は読むのだが、
今回の「坂の上の雲」全5巻も2回目。
さすがに長いので、
2ヶ月ほどかけて読んだ。

最初のほうは松山で秋山兄弟と
正岡子規との交流。
そして後半は日本の騎兵隊を作った
秋山好古と日露海戦の作戦を考えた
弟の秋山真之を中心とした
日露戦争、悲壮な明治人の戦いを
描いている。

子規が病床から、
俳句を改革して行き、
それが明治人の気概と
合わさっていく。


子規の死によって、
いよいよ日露戦争に入って行く。

歴史で学んだ日露戦争ほど、
華やかなものではなく、
戦費もなく弾薬も、兵士もないなかで、
いかに必死の思いで戦争をしたのか、
明治政府ができて37年という時間で、
国家をなくしてはいけないという
思いをもっていたのかということについて描かれている。

司馬遼太郎が、
映画化やドラマ化をしないようにと
遺言を残したそうだが、
(しかしNHKはドラマ化するようですが)
これが戦争賛歌になってはいけないという
思いだと思う。
ここに書かれているのは世界に誇れる明治人の気質であり、
けして戦争で日本がいかに強かったのか
ということではない。
そして、愚かな第二次大戦に臨んだ陸軍との
比較であり、戦争反対の姿勢なのだ。

作者に言わせると
その後の日本陸軍の歴代首脳がいかに無能であったのかということは、この日露戦争という全体が「桶狭間」的宿命にあった戦いで勝利を得たことを先例としてしまったことである。陸軍の崩壊まで日本陸軍は桶狭間式で終始した
という大戦中の日本陸軍の想像力の欠如について随所で述べている。

読後に
国家存亡のために大国ロシアと戦争をしなければならなかった
日本の悲哀を心から感じた。



坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 文庫



坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 文庫



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