「悲しい予感」吉本ばなな [読書]
吉本ばななの本にはなぜか惹かれる。
(女の子に人気があるので公言するのは恥ずかしいのだが(^_^;;)
彼女の描く人物の社会にうまく適応できず、
混沌としているところにsympathyを感じるのだ。
これは別に自分が社会不適合者であると
言っている訳ではなく、
人間誰もが社会の中で
例えどんな場所にいても
完全な適合はありえないと思う。
なぜなら、色んな面を持っている人間が
小出しにその状況にあっている面を出しているだけであって
完全に自分を出せることはありえないのだ。
単純化ないし、ある種特化した社会不適合人物達が
ちょっとした事件を起こしていく。
ゆきののいい加減さは
「斜陽」(太宰治)に出ていた没落貴族夫人に
通じるような気がして、
苦笑させられる。
主人公弥生のどっちつかずの優柔不断さ、
何かに流されている感じ。
弟の存在がなんとなく気にかかる弥生
そして弟哲生の実直さ。
これらがミックスして、
テンポよくぽんぽんと進む。
吉本ばななの「キッチン」を「台所」で、
ワインを読みながら読んでいたのも思い出すなー(^^;;