「暗夜行路」志賀直哉を読んでみた [読書]
あらすじとしては、
「祖父と母との間、不義の子と知った主人公(時任謙作)は、
そのことで父親の愛情を感じる事なく育つ。
鬱蒼とした気持ちを引きずりながら。
そして、京都でふと見かけた直子と
知り合いを通し結婚することになるが、
長女が生まれてすぐに病気で亡くなる。
そして直子は時任の留守中にいとこと
過ちを犯す。
どうしても許せない自分に、
苛立ち苦悩する日々を過ごす…。」
といった内容。
小説の神様、志賀直哉の唯一の長編なので、
よほど読みやすいのだろうと思っていたのだが、
読み終えるのが大変な作品でした。
確かに1文が短く、
リズムよく読めるのですが、
大切なことがあっさり書いているので、
思わず読み跳ばしたりするところもあった。
これは、丁寧に状況描写を書いている
現代小説に慣れている自分にはつらい!
鬱々した主人公の気持ち、
自暴自棄になるようなだらけた生活、
不幸が連鎖する主人公の境遇。
主人公に感情移入できないのも
読みづらい原因だったのかもしれない。。
このような話を、
昼間のカフェで読むものではないと
思ってしまった(ー_ー;;;
誰でもこんな不幸に遭う可能性があると
思って読むのか、
それとも、人ごとだから、
小説の中だけでもそういう気持ちを
推し量って読むのが醍醐味なのか。
ほとんどの人が後者でしょう〜。
小説の最後にあった作者のあとがきを読むと、
「終り近くなって、書けなくなって
11年ほって置いたのを今度全集を出すについて、
何でもかでも書き上げる事にした…」
と、書いてあったので、
何だかこんな大家でも、
書く事がつらいことがあるのかと、
ふと人間らしさを見た気がして
最後に苦笑してしまったー。
いずれにしても、今までチャレンジしてみようと思っていた
500ページ以上もある
長編小説なので
読み上げたという、
達成感が一番大きかったです(^-^)/