銀の匙 中勘助 [読書]
この本は高校時代に読んだようなと
思っていましたが、
早慶選の野球の実況中継のまねごとをしていた
「君たちはどう生きるか」吉野源三郎と間違えていました。
でも、夏目漱石の言葉を借りるまでもなく、明治時代の子供を通した世界が
こんなにみずみずしく書かれている小説が珍しいと思いました。
大人になると心にホコリが積もって、なかなか重要なものが
見えなくなるのですが、筆者は当時の子供だった自分の視点から描く、
伯母、また遊び友達、神社やお祭り、遊び道具などが、
子供に表現力、文章力があったらきっとこんな感じで表現するんだと
いうことを考え、物語の中にぐいぐい引き込まれました。
自分にも、母親の背中の上が一番の隠れ家だったことがあった…(ここでは伯母)
女の子にいいとこみせたいばっかりに、勉強したことがあったな…とか共感を覚えました。
忘れかけた子供時代を懐かしんで、その世界から物事を眺めなおしたい方にお勧めです!
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