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「ブルータワー」石田衣良 [読書]

作者が9.11に着想を得て書き上げた作品らしいが、
簡単なあらすじをいうと、
末期ガンにかかった主人公が100年後に精神のみがトリップして、
新型インフルエンザで苦しむ世界を救う話。
現実の世界と未来の世界の類似性がやや鼻につく感じで、
完全には話に入り込めないが、
そのファンタジーは楽しめた。

そして気になったのは世界を危機に陥れるのは、
H17N16という新型インフルエンザというところだ。
現在は騒がれている鳥インフルエンザもH5N1という型だから、ずいぶん先にみつかるウィルスとなる。
インフルエンザは空気感染をするところが、
他のエイズやエボラ赤熱等の致死性のあるウィルスと違うところで、
もし特効薬がなくなれば爆発的に流行することになるのだ。
もし外国で1人の日本人が人から人に感染する新型インフルエンザにかかって、
成田空港に降り立ったとすると、
1週間後には22万人の人が感染し、
3ヶ月後には2000万人から3000万人が感染するといわれている。
スペイン風邪の致死率が2%だからそれで考えると、
64万人の死者がでると考えられている。

作者が今になって騒がれている新型インフルエンザに着目した
先見の眼に感心する。
行政に少なからず関わっている自分としても、
タワーの全権を握っている委員会が判断することに対して、
もしこのような状態になったらどうするだろうと、
現実感がないながら考えさせられた本だった。
ブルータワー (徳間文庫 い 43-4)

ブルータワー (徳間文庫 い 43-4)

  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/03/07
  • メディア: 文庫



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